<理念>


―― 私にとっての歯科医療、そして開業 ――
 私は、歯科医師として医療に携わる事に常に誇りと喜びを感じてきました。口腔は消化器であり呼吸器あり感覚器官であり、全身の中でもかなり重要な位置を占める部分です。もし、食事が満足に摂れなくなったら人生の楽しみも半減するのではないでしょうか?このような大切な器官に仕事として関われるやり甲斐も感じますし、また、疾患が治癒したり咬合を回復できた時の患者さんの喜びをみる満足感も味合う事ができますし、歯科医師は幸せな職業といえます。
 さて、歯科医師というと歯を削ったり、入れ歯を作ったりと歯ばかりみている職人というイメージが強いのではないでしょうか?もちろん、歯を削る事も入れ歯を作る事もとても大事なことなのですが、その前に診断ありきです。適切な診断がなければ技術があっても意味をなしません。また、診断とは何かというと歯1本をみるものではありません。歯は口腔の中にあり、口腔は全身の一部であり、身体は心を持ち一人の人間としてそれぞれの社会背景の中で暮らしています。ですから私は、まずお口を見せてもらう前に患者さんのお話を良く聞くようにしています。そして、患者さんの口の中をみる時はその方の全身の一部分としてみること、さらにその方の心理社会的背景も念頭に入れてみるようにしています。実際、口腔と全身の関わりは重要で(最近、歯周病菌と心血管系の疾患の関係が言われていますが、もっと様々なことがあります)切り離して考える事はできません。
 私は、長年、口腔外科医として口腔癌専門に大学病院で教育、診療、臨床研究に携わって来ましたが、同時に一般歯科診療とインプラント治療の研修と治療も続けてきました。平成18年3月に大館市で開業しましたが、今は、これまでの経験と知識が何一つ無駄になっていないと感じつつ感謝して診療している毎日です。スタッフには全身的、全人格的に患者さんを捉え受け止めること、医療人としての誇りを持って仕事をして欲しいことを常々言っています。私たちの知識と技術が少しでも地域の方々のお役に立てれば大変幸せです。


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